一般社団法人 かながわ相続・不動産・空家相談センター

  1. TOPページ
  2. お役立ちコラム

お役立ちコラムcolumn

皆さまの疑問やお悩みを解消すべく、各分野のプロフェッショナルがテーマに沿ったコラムを執筆。
読んで身になる為になる、お役立ち情報満載でお届けします。豊かな人生づくりへ、ぜひご活用ください。

相続

養子縁組 ~コーラととうもろこし編~

H様にお電話をいただき相続相談にて横浜のご自宅を訪問いたしました。

とても気さくな女性で、亡夫の馴れ初めから現在にいたるまでのお話しをいただきました。

また暑い時期ということもあり自分のお好きなコーラとトウモロコシを出していだきました。

現在お子様は二人いるものの先妻の連れ子で実子はいないとのこと。

但し幼少より育てており、実子のようにかわいいとお話しされました。

H様は財産は少ないけれどもこの2人のお子様にお渡ししたいとおっしゃられました。

財産が少ないということでしたが、金融資産だけでも2億円近いことがその後のお話しでわかりました。

以上をふまえて、まずは二人のお子様は現状相続権がないので養子縁組を組まれることをお勧め致しました。

また念のため公正証書による遺言も作成することもお薦めいたしました。

当初お子様達は、養子縁組は財産を狙っているみたいだと否定的でしたが、法定相続人になることにより、非課税枠を利用できること等を説明させていただき、ご理解が深まりました。

1ヶ月後にH様より無事養子縁組が完了した旨のお礼の電話を頂きました。

その際、またコーラとトウモロコシを用意しているので遊びに来てくださいと

言われ、なぜか気持ちがほっこりしました。

 

相続
不動産・空家

平成28年度税制改正で定めれました空き家に係る譲渡所得の特例をご存知でしょうか?

昨今の高齢化の流れを受けて、社会問題となっている空き家問題に対応するため、空き家の発生を抑制し、地域住民の生活完了への悪影響を未然に防ぐ観点から、お亡くなりになられた方がお一人でお住まいになられていた家屋を相続されたご相続人が、その家屋(一定のリフォームをしたものに限りま。)等を売却した際に生じる譲渡所得税の税負担を軽減する税制改正が平成28年度に行われました。

 

たとえば、相続した家屋を200万円で取り壊して、取り壊し後の土地を500万円で譲渡した場合には特例を適用をすることで下記の通り税負担が抑えられます。

 

<前提条件>

・昭和55年建築

・被相続人が20年間所有

・除却費200万円

・価格不明

 

【本特例を適用しない場合】

(500万円[譲渡収入] - 500万円×5%[取得価格が不明の場合の概算取得費] - 200万円[除却費])× 20.315%[税率] = 55万円

【本特例を適用する場合】

(500万円[譲渡収入] - 500万円×5%[取得価格が不明の場合の概算取得費] - 200万円[除却費]) - 3,000万円[特別控除額]) × 20.315%[税率]= 0円[マイナスにはならないため0円としています]

なんと55万円も税負担が軽くなるのです。

 

この特例の適用を受けるポイントは次の3つです。

①【売却までの期間】

・相続の開始があった日から3年目の年の12月31日までに売ること。

②【相続した家屋の要件】

・相続の開始直前において被相続人が一人で居住用に供していた家屋であること

・昭和56年5月31日以前に建築された区分所有建築物以外の家屋であること

・相続の時から譲渡の時まで事業用、貸付用、居住用に供したことがないこと

③【譲渡する際の要件】

・譲渡価格が1億円で以下であること

・現行の耐震基準に適合する耐震リフォームをすること又は家屋を取り壊して譲渡する事

 

なお、この制度を使う場合には他の税制との併用関係にも注意する必要があります。

・居住用不動産を譲渡した場合の3000万円特別控除と居住用不動産の買換特例のいずれかと併用可(同一年中に、居住用不動産と空き家不動産を譲渡する場合には合わせて3000万円が限度となります)

・相続財産譲渡時の取得費加算特例とは選択適用

・居住用不動産の買換特例と併用可

 

亡くなった親が住んでいた家屋を相続したんだけど相続人が皆遠方に住んでいる、といった家屋については相続空き家となる可能性がございます。

上手に特別控除が使えると税負担がかなり軽減できることとなります。

該当しそうだなと思った方は是非弊法人までご相談ください!

相続

相続税の計算方法知ってますか?

相続税の計算と聞いて、どのようなイメージをお持ちですか。

「相続財産に税率をかけるだけでは?」とシンプルなイメージをお持ちの方もいるかもしれません。

しかし実際は、複数いる相続人の中で、誰がどの程度の相続税を支払わなければならないかを自分で計算することは難しいものです。

 

そこで今回は、「妻1人と子供2人が相続人になる」というモデルケースを使って、実際にどのような手順で相続税を計算するのかを解説したいと思います。

 

【モデルケースについて】
今回のモデルケースでは、ご主人のAさんが61才で亡くなった場合を考えてみたいと思います。

相続人は奥さんのBさん52才、長男のCさん25才、次男のDさん19才の3人です。

 

相続財産には通常、様々な財産が含まれます。現金や預金はもちろんのこと、株式や投資信託などの有価証券、土地や建物などの不動産も相続財産です。

また、生命保険金や退職金も「みなし相続財産」になるほか、「マイナスの財産」である借入金なども相続財産に数えられます。

ただし、今回は相続税の基本的な計算方法を理解するのが目的です。シンプルに1億2,000万円の預金だけという事例にしましょう。また、3人の相続人はそれぞれ法律で定める割合(法定相続割合)で財産を相続したものとします。

 

被相続人(亡くなった人) 相続人(相続する人) 相続財産(遺産)
ご主人:Aさん61才 奥さん:Bさん52才(配偶者) 預金:1億2,000万
長男:Cさん25才(成年)
次男:Dさん19才(未成年)

【相続税の計算の流れ】
相続税の計算方法は3ステップで行います。

具体的には以下の3つです。

(1)課税遺産総額の計算

(2)相続税の総額の計算

(3)各人の相続税額の計算

 

普通に考えると、「遺産額に相続税の税率をかけて、それを相続人3人で分ければ良いのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、実際の相続税計算は少し複雑な手順になっています。

 

まず、遺産総額にそのまま税率をかけるのではなく、各相続人が法律で定める割合(法定相続割合)で遺産を取得したと仮定する額に相続税率をかけます。

その後、それぞれで算定された仮の相続税額を合計して「相続税の総額」を算出。

そして、この相続税の総額を、各人が実際に相続した財産の価格に応じて配分することで「各人の相続税額」が計算されます。

 

それでは、モデルケースにあてはめて、相続税の計算をしてみましょう。

 

【モデルケースの場合の相続税は?】

 

(1)課税遺産総額の計算
「課税遺産総額」というのは、相続税の課税対象となる財産の総額のことです。この「課税遺産総額」を計算するために「相続財産の課税価格」から「基礎控除額」を差し引きます。

 

「相続財産の課税価格」とは、その財産の価格を相続税法上で算出したものです。

現金などは金額が明らかですが、不動産などでは金額を評価しなければなりません。

財産ごとに一定のルールにしたがって決められた価格の合計が「相続財産の課税価格」ということになります。

 

「基礎控除額」とは、少額の財産にまで相続税を課してしまうと相続人が生活に困窮するなどの可能性があるため、一定の額までは相続税がかからないように差し引くことのできるという金額のことです。

具体的には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という計算式で算出されます。

 

今回のモデルケースでは、以下の計算になります。

 

●相続財産の課税価格=1億2,000万円
※相続財産の課税価格は、預金の場合、額面そのままになります。

 

●基礎控除額=3,000万円+600万円×3人(法定相続人の数)=4,800万円
※配偶者や子供は法律上、相続人になることができるので、法定相続人の数は妻Bさん、子供のCさん、Dさんの3人となります。

 

●課税遺産総額=1億2,000万円-4,800万円=7,200万円
※「相続財産の課税価格」から「基礎控除額」を差し引いて「課税遺産総額」を算定します。

 

(2)相続税の総額の計算
「相続税の総額」は、各相続人が法律で定める割合(法定相続分)で遺産を取得したと仮定した額に相続税率をかけて計算します。

法定相続分は、配偶者と子供の場合、配偶者が2分の1、子供が2分の1です。

また、子供が複数いる場合にはその2分の1をさらにその人数で配分。

各人の仮の相続税額が計算できたら、それを合計して「相続税の総額」の算定となります。

 

今回のモデルケースでは、以下のような計算になります。

 

●配偶者(Bさん)分=7,200万円×1/2×20%-200万円=520万円(仮の相続税額)
●長男(Cさん)分=7,200万円×1/2×1/2×15%-50万円=220万円(仮の相続税額)
●次男(Dさん)分=7,200万円×1/2×1/2×15%-50万円=220万円(仮の相続税額)
●相続税の総額=520万円+220万円+220万円=960万円

 

※各人の仮の相続税額については下記の速算表にあてはめて計算します。

たとえば、妻Bさんの場合、表中の「法定相続分に応ずる取得金額」は3,600万円(=7,200万円×1/2)であるため、20%の税率をかけて200万円の控除。

同様に、長男Cさんの場合であれば、「法定相続分に応ずる取得金額」は1,800万円(=7,200万円×1/2×1/2)であるため、15%の税率をかけて50万円の控除となります。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

(3)各人の相続税額の計算
各人の相続税額を計算するためには、まず(2)で算定した「相続税の総額」を、実際に各人が相続した財産価格の割合に合わせて配分。

その後、相続人の状況に応じて認められる各種の税額軽減や税額控除などを適用して、最終的な相続税額を算出しましょう。

 

モデルケースの場合には、以下のような計算になります。

 

●配偶者(Bさん)分=960万円×6,000万円/1億2,000万円=480万円
※奥さんのBさんに配分された相続税額は480万円となりました。

ただし、配偶者には「配偶者の税額軽減」という制度が適用されます。

「配偶者の税額軽減」とは、取得した財産の額が、配偶者の法定相続分か1億6,000万円のいずれか大きい金額までならば、相続税が非課税となる制度です。今回、Bさんの取得分は6,000万円であるため、相続税は非課税となります。

 

●長男(Cさん)分=960万円×3,000万円/1億2,000万円=240万円
※長男のCさんに配分された相続税額は240万円。

Cさんには特に適用される税額控除などがありませんので、この240万円がCさんの負担する相続税ということになります。

 

●次男(Dさん)分=960万円×3,000万円/1億2,000万円=240万円
※次男のDさんに配分された相続税額は240万円。ただし、Dさんは未成年であるため、「未成年者控除」の適用範囲内です。

「未成年者控除」とは、成年に達するまでの年数1年につき10万円が控除される制度。

Dさんの場合、19才なので、20才に達するまでの1年に相当する10万円が控除されます。

そのため、Dさんが負担する相続税額は230万円(=240万円-10万円)となります。

 

【まとめ】
相続税額の計算は以上のような要領になります。

今回のモデルケースでは1億2,000万円の預金を相続しましたが、相続税額は長男のCさんが240万円、次男のDさんが230万円となりました。

想像していた相続税額と比べて、多いと感じられたでしょうか。

それとも、案外少ないと感じられたでしょうか。

 

相続税の計算には、対象が不動産である場合や、相続人が法定相続人ではない場合、配偶者が過去に相続した財産が再度、子供に相続される場合など、様々なケースが。

それぞれに異なる計算方法が適用されますが、まずは今回の基本的なケースで計算の大きな流れを理解していただければと思います。


次回以降、もう少し複雑な相続税額の算出や、突然の相続税に慌てない為の工夫など、皆さまにお役立ていただける、プロならではの情報を発信していく予定です。

どうぞご期待ください。

1 2